ベンチプレスで肘が痛い原因と5つの改善策|理学療法士が解説

ベンチプレスで肘が痛い

ベンチプレスの重量を伸ばそうとトレーニングを続けていたら、肘の外側がズキズキと痛み出した。フォームを見直してみたけれど、痛みは一向に良くならない――そんな経験はありませんか?

肘の痛みは、多くのトレーニーが一度は悩む問題です。実は、肘の外側と内側では痛みの原因が全く異なり、それぞれに合った対処法があります。私は理学療法士として、これまで肘の痛みを抱える多くの方のリハビリに関わってきました。その経験から言えるのは、痛みの原因を正しく理解せずにトレーニングを続けても、症状は改善しないどころか悪化するということ。

この記事では、ベンチプレスで起こる肘の痛みの本当の原因と、今日から実践できる具体的な改善策を解説します。痛みを我慢して重量を追い続ける前に、まずは肘の状態を正しく理解しましょう。

目次

この記事でわかること

  • ベンチプレスで肘が痛くなる3つの原因(外側・内側それぞれの違い)
  • 肘の痛みを防ぐ正しいベンチプレスフォームのチェックポイント
  • 痛みを和らげる効果的なストレッチ&エクササイズ
  • 肘の痛みが出たときの対処法とリカバリーの進め方
  • 医療機関を受診すべき痛みの見極め方

ベンチプレスで肘が痛くなる3つの原因

ベンチプレスで肘が痛くなる原因は大きく3つに分けられます。肘の内側・外側・関節そのものの痛み、それぞれ原因となる筋肉や動作パターンが異なるため、まずは自分がどのタイプに当てはまるかを見極めることが改善への第一歩です。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)による肘外側の痛み

ベンチプレスで肘の外側が痛む場合、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の可能性があります。これは、前腕の伸筋群が骨に付着する部分で炎症が起きる障害です。ベンチプレスのバーを握る際、手首を過度に背屈させたり、肘を完全に伸ばし切る動作を繰り返すことで、前腕伸筋に過剰な負担がかかります。

日本整形外科学会監修の『上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン 2024』でも、握る動作と手関節の伸展が同時に起こる運動で発症リスクが高まるとされています。特に高重量を扱う際、無意識に手首を反らせて安定させようとする代償動作が炎症を引き起こすのです。トレーニング後に肘の外側を押すと痛みがある、握力が低下したと感じる場合は、この障害を疑うべきでしょう。

痛みを放置すると、日常生活で物を持つ動作やドアノブを回す動作でも支障が出るため、早期の対処が重要です。

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)による肘内側の痛み

ベンチプレスで肘の内側に痛みを感じる場合、上腕骨内側上顆炎(通称ゴルフ肘)の可能性があります。これは肘の内側に付着する前腕屈筋群の腱が繰り返しのストレスで炎症を起こす状態です。

ベンチプレスでは、バーを胸に下ろす際の遠心性収縮と、挙上時の求心性収縮の両方で前腕屈筋群が働きます。特にグリップ幅が狭すぎると肘が体に近づき、前腕屈筋群への負荷が増加します。重量を支えるために手首を過度に曲げる癖があると、屈筋群の腱付着部に慢性的な牽引ストレスがかかり、内側上顆に炎症が生じるのです。

経験上、週3回以上の頻度でベンチプレスを行う方や、ナローグリップのトレーニングを多用する方に内側上顆炎が多く見られます。日常生活で物を握る動作や手首を曲げる動作で痛みが増すなら、早めの対処が必要でしょう。グリップ幅の見直しと、トレーニング頻度の調整から始めてみてください。

肘への過剰な負荷と不適切なフォームによる炎症

ベンチプレスで肘が痛くなる原因として最も多いのが、肘関節への過剰な負荷と不適切なフォームが引き起こす炎症です。バーベルを下ろす際、肘が体幹より過度に開いた状態(肘の角度が90度以上)でプレス動作を繰り返すと、上腕骨外側上顆に付着する伸筋群に持続的なストレスがかかります。この状態が続くと、外側上顆炎(テニス肘)の症状が現れ、ベンチプレス中や日常生活で肘の外側に痛みを感じるようになります。

一方、バーを下ろす位置が高すぎる(胸の上部や鎖骨付近)場合、肘を過度に曲げる動作が強いられ、内側上顆に付着する屈筋群への負担が増大します。その結果、内側上顆炎(ゴルフ肘)を引き起こし、肘の内側に痛みや違和感が出現するのです。経験上、重量を伸ばしたい一心でフォームを犠牲にしている方ほど、こうした痛みに悩まされています。

また、Kelly SBら(2015年)の研究では、エキセントリック局面(バーを下ろす動作)で筋繊維や腱に微細損傷が蓄積しやすいことが報告されています。

不適切なフォームでこの局面を繰り返すと、炎症が慢性化し、痛みが長期化する原因となります。適切なフォームの習得と適度な負荷設定が、肘の健康維持には欠かせません。

肘の痛みを防ぐ正しいベンチプレスフォーム

肘が痛くなるのは、やっぱりフォームが原因なんでしょうか?どこをどう直せばいいのか、自分では分からなくて……。

はい、多くの場合フォームが原因です。手首の角度・肘の落とし方・バーの軌道の3つを見直すだけで、肘への負担は大きく変わります。

肘の痛みを防ぐには、肘関節に無理な負荷がかかる動作を取り除くことが第一です。ベンチプレスで最も多いのは、バーを下ろすときに肘が体の外側に開きすぎる・手首が反りすぎる・バーの軌道が安定しないの3つのパターン。これらは理学療法士として臨床でも頻繁に見る代償動作です。ここからは、各ポイントを具体的に確認していきましょう。

肘の角度は75度を意識|フレア角の調整方法

ベンチプレスで肘の痛みを防ぐには、肘と体幹のなす角度(フレア角)を約75度に保つことが重要です。90度近くまで開くと肩関節に、45度以下に閉じすぎると上腕三頭筋と肘関節に過度な負荷が集中します。経験上、肘の内側や外側が痛む方の多くは、このフレア角が極端にずれています。

フレア角の調整は、まずバーを胸に下ろす位置から始めます。乳首の真上ではなく、やや下(みぞおちと乳首の中間)を目安にすると、自然と75度前後に収まります。バーを押し上げる際も、肘を内側に絞り込みすぎず、外に張り出しすぎない軌道を意識しましょう。

セット間にスマホで動画を撮り、真上から見た肘の角度を確認してください。鏡では判断しづらいため、撮影が最も確実です。角度が安定しないうちは、軽めの重量で反復練習し、体に正しい軌道を覚え込ませることが肘の痛み解消への近道となります。

手首を真っすぐに保つグリップの取り方

ベンチプレスで肘に痛みが出る原因の一つに、手首の過度な屈曲・伸展によって肘関節へストレスが伝わることがあります。バーを握る際に手首が手のひら側に折れ曲がっていたり、逆に手の甲側に反っていたりすると、前腕の筋群が緊張し、肘の内側や外側の腱付着部に負担がかかるためです。

理想的なグリップは、手首が前腕と一直線になるように保つこと。バーを手のひらの中心より少し手首寄り(母指球の下あたり)に乗せると、手首が自然にまっすぐ保たれやすくなります。親指をバーに回してしっかり握り、手首が左右にブレないよう固定しましょう。

経験上、手首をまっすぐ保てない人の多くは、前腕の回内筋・回外筋の柔軟性不足や、握力の弱さが原因です。トレーニング前に前腕のストレッチを取り入れ、リストカールなどで握力を強化すると、グリップの安定性が高まります。まずは軽い重量でフォームを確認し、手首の角度を意識してみてください。

肩甲骨を寄せて肘への負担を分散させる

肩甲骨を寄せることで、ベンチプレスの負荷は大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋の3つに効率よく分散されます。肩甲骨が開いたまま動作すると、肘関節だけで重量を支える形になり、肘の内側や外側にストレスが集中します。経験上、肘の痛みを訴える人の多くは、肩甲骨を寄せる意識が抜けています。

肩甲骨を寄せるには、ベンチに仰向けになった状態で胸を張り、肩甲骨を背骨に向けて引き寄せます。このとき「胸を天井に突き出す」イメージを持つと、肩甲骨が自然と内転(寄る)します。肩甲骨を寄せた状態でバーを下ろすと、肘の軌道が安定し、肘関節への負担が大胸筋と肩に分散されます。セットの途中で肩甲骨が開くと肘に負荷が戻るため、挙上中も常に肩甲骨を寄せたまま保つことが大切です。

セット前に壁押しで肩甲骨を寄せる感覚を確認しましょう。壁に手をつき、肩甲骨を背骨に寄せながら胸を前に出す動きを10回繰り返すと、ベンチプレス時の肩甲骨の使い方が体に馴染みます。

肘の痛みを和らげる3つのストレッチ&エクササイズ

痛みが出た後って、どうやってケアすればいいんでしょうか。また痛めるのが怖くて、何をしていいのか分からなくて……。

安心してください。痛みが出た後こそ、適切なストレッチとエクササイズで回復が早まります。炎症を抑えながら硬くなった組織をほぐし、正しい動きを再学習させることが大切です。

ここからは、痛みを和らげながらベンチプレスに復帰できる3つのセルフケア方法を紹介します。「痛いから何もしない」のではなく、段階的に動かすことで組織の修復が促され、再発予防にもつながります。経験上、痛みが出てから何もせず休んでいた方よりも、適切なケアを続けた方のほうが早く復帰し、その後のフォームも安定していました。

前腕伸筋群のストレッチ|肘外側の痛み対策

肘の外側が痛む場合、前腕伸筋群の過緊張が原因のことがあります。ベンチプレスでバーを握りしめると前腕伸筋群(手首を背屈させる筋肉群)が過剰に収縮し、肘の外側(上腕骨外側上顆)に負担がかかりやすくなります。この部位の痛みは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)として知られています。

前腕伸筋群のストレッチは、肘を伸ばした状態で手のひらを下に向け、反対の手で手首を曲げるように押さえます。肘外側に軽い張りを感じる程度で20〜30秒キープしましょう。1日2〜3回、トレーニング前後に行うことで筋の柔軟性を保ち、肘への負担を軽減できます。

ストレッチ後は前腕の伸筋群をほぐすセルフマッサージも効果的です。肘から手首にかけて、親指で軽く押しながらほぐしていきます。硬結(硬いしこり)がある箇所は10秒程度押さえておくと、筋の緊張が和らぎやすくなるでしょう。

前腕屈筋群のストレッチ|肘内側の痛み対策

肘内側の痛みは、ベンチプレスで手首を過度に掌屈(手の平側に曲げる)させることで前腕屈筋群が過緊張を起こし、その付着部である内側上顆(ゴルフ肘)に負担がかかることで生じます。バーを握り込みすぎるフォームの方に多く見られます。

前腕屈筋群のストレッチは、肘を伸ばした状態で手首を反らせ、指先を自分の方向へ引くように行います。具体的には、腕を前方に伸ばし手の平を上に向け、もう一方の手で指先をゆっくり引き寄せましょう。30秒キープ×3セットを目安に、痛みが出る手前の角度で止めることが重要です。

このストレッチで前腕屈筋群の柔軟性が高まれば、バーを握る際の過度な緊張が緩和されます。ベンチプレス前後のルーティンとして習慣化することで、肘内側への負担を軽減できるでしょう。ストレッチ後は軽く拳を開閉し、前腕の血流を促すと効果的です。

肘周囲の筋力強化エクササイズ|リストカール・リバースリストカール

肘の痛みを根本から予防するには、前腕の筋力強化が欠かせません。ベンチプレスでバーを握る際、手首から肘にかけての筋肉が弱いと、肘関節に過剰な負担がかかり続けるからです。特に前腕屈筋群と伸筋群のバランスが崩れると、肘の内側や外側に痛みが出やすくなります。

ここで取り入れたいのが、リストカールとリバースリストカールです。リストカールは前腕の屈筋群(手のひら側の筋肉)を、リバースリストカールは伸筋群(手の甲側の筋肉)を鍛えるエクササイズ。どちらも軽めのダンベル(2〜5kg程度)を使い、手首だけをゆっくり動かすのがポイントです。

具体的には、椅子に座って前腕をベンチや太ももに乗せ、手首だけを上下させる動作を10〜15回×2セット。ベンチプレスの前後にこれを習慣化すると、肘関節の安定性が高まり、痛みの再発リスクが大幅に下がります。週2〜3回続けることで、1〜2週間後には握力の安定感が実感できるはずです。

肘の痛みが出たときの対処法とリカバリー

肘が痛くなってしまったら、もうベンチプレスは諦めるしかないんでしょうか。完全に休んだほうがいいのか、それとも何か続けられる方法があるのか知りたいです。

痛みが出たからといって、すべてのトレーニングを止める必要はありません。適切な初期対応と段階的な負荷調整を行えば、痛みを悪化させずにリカバリーしながら続けられます。

痛みが出たときの対応を誤ると、慢性化して長期離脱につながるリスクがあります。ここでは、肘の痛みが出た直後の適切な初期対応から、段階的なリカバリープランまでを解説します。

トレーニング直後のアイシングと圧迫

トレーニング直後に肘の痛みを感じたら、すぐに冷却(アイシング)を行いましょう。氷嚢や保冷剤をタオルで包み、痛む部位に15〜20分間当てます。冷却することで炎症を抑え、微細な筋繊維の損傷による腫れや熱感を軽減できます。

アイシングと同時に、肘を軽く圧迫することも効果的です。テーピングや伸縮性のサポーターで適度に圧迫すると、患部の内出血や腫れの広がりを抑えられます。ただし、締めすぎると血流を阻害するため、指先にしびれや冷感が出ない程度に調整してください。

経験上、トレーニング直後の初期対応が適切かどうかで、その後の回復スピードが大きく変わります。痛みが出たまま放置すると慢性化しやすく、日常生活にも支障が出る可能性があるため、違和感を感じた時点で早めに対処しましょう。アイシングは2〜3時間おきに数回繰り返すと、炎症を最小限に抑えられます。

痛みがある場合の重量調整とトレーニング休止の判断基準

肘の痛みが出たら、まず重量を40〜50%減らして様子を見ることが大切です。痛みの程度によって判断は変わりますが、動作中に鋭い痛みが走る場合はその日のベンチプレスは中止しましょう。

痛みのレベルを3段階で考えると、違和感程度(レベル1)なら重量を落としてフォーム確認しながら続けられます。動作後に痛みが残る(レベル2)なら、その日は軽い重量での可動域確認のみにとどめるべきです。動作中に痛みで力が入らない、日常動作でも痛む(レベル3)なら、完全休止と医療機関の受診が必要になります。

経験上、「少し痛いけど我慢すれば挙げられる」という状態で無理を続けた結果、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)が慢性化してしまった人を何人も見てきました。特に前腕伸筋群の付着部は一度炎症を起こすと治りにくい部位です。

痛みが3日以上続く場合は、トレーニングを一時中断して休息とアイシング(1回15分、1日3回)を優先してください。焦らず回復を待つことが、結果的に長くトレーニングを続けられる近道です。

医療機関の受診が必要なサインと早期治療の重要性

ベンチプレスで肘に痛みを感じたとき、「少し休めば治るだろう」と自己判断で放置するのは危険です。早期に医療機関を受診すべきサインとして、安静時にも痛みが続く夜間痛がある日常動作(物を持つ・ドアノブを回すなど)で痛みが出るといった状態が挙げられます。これらは単なる一時的な炎症ではなく、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)や内側上顆炎(ゴルフ肘)といった腱付着部障害に進行している可能性があります。

こうした症状を放置すると、腱の微細損傷が蓄積して慢性化し、治療期間が数か月単位に延びることも珍しくありません。

Garrigues GEら(2012年)の研究では、筋腱移行部の損傷を早期に診断・治療した群は、放置して数か月後に受診した群に比べ回復期間が大幅に短縮されたと報告されています。

整形外科では画像診断(超音波・MRI)で腱や靭帯の状態を正確に評価し、必要に応じて理学療法士による段階的なリハビリプログラムを組むことができます。トレーニングを長く続けるためにも、違和感の段階で専門家に相談する判断が重要です。

よくある質問(FAQ)

初心者からよく寄せられる疑問にお答えします。

Q: ベンチプレスで肘が痛くなる主な原因は何ですか?

肘の位置・角度の不適切さと、前腕の筋力不足が主な原因です。 バーを下ろしたときに肘が体から離れすぎていたり、逆に体に近づきすぎていると、肘関節に過度な負担がかかります。また、手首が過度に背屈(反る)している場合も、前腕から肘への負担が増加します。特に上腕骨外側上顆炎(テニス肘)内側上顆炎(ゴルフ肘)は、手首・前腕の筋肉が疲労した状態で負荷がかかることで発症しやすくなります。重量を追い求めるあまりフォームが崩れ、肘で無理やり押し上げようとする動作も痛みの引き金に。正しいフォームと適切な重量設定が、肘の健康維持には欠かせません。

Q: 肘の痛みがある場合、トレーニングを続けても大丈夫ですか?

痛みがある状態でのトレーニング継続は避けるべきです。 痛みは体からの警告信号であり、無視して続けると症状が悪化し、慢性的な障害につながる可能性があります。経験上、「ちょっとした違和感だから」と軽視して続けた結果、数ヶ月単位で休むことになった方を何人も見てきました。痛みが軽度であれば、重量を大幅に落とすか、肘に負担のかからない種目(レッグプレスやラットプルダウンなど)に切り替えましょう。中等度以上の痛みがある場合は、完全休養とアイシング、必要に応じて医療機関の受診が必要です。焦らず、体と向き合う時間を大切に。

Q: 肘の痛みを予防するためのウォームアップ方法は?

軽負荷での動的ストレッチと、段階的な重量増加が効果的です。 まず手首を回す、前腕を軽く伸ばすなど、関節の可動域を広げる動きを5分程度行います。その後、空バー(20kg)で15回程度、ゆっくりとした動作でベンチプレスを行い、筋肉と関節に「これから動くよ」と信号を送ります。次にメインセット重量の50%程度で10回、70%で5回と段階的に重量を上げていきましょう。週2〜3回のトレーニングであれば、各セッション開始時にこのウォームアップを必ず行うことで、肘への急激な負担を避けられます。丁寧なウォームアップは、ケガ予防の最初の一歩です。

Q: 肘の痛みが続く場合、医療機関を受診すべきですか?

2週間以上痛みが続く場合、または日常生活に支障が出る場合は受診してください。 特に「物を持つと肘の外側が痛む」「ドアノブを回すと内側に痛みが走る」といった症状がある場合、上腕骨外側上顆炎や内側上顆炎の可能性があります。日本整形外科学会の診療ガイドラインでも、早期診断と適切な治療介入が推奨されています。整形外科を受診すると、エコー検査やレントゲンで患部の状態を確認し、必要に応じて理学療法や装具療法が提案されます。「たかが筋肉痛」と思わず、長引く痛みは専門家に相談を。早期対応が、早期復帰につながります。

Q: 肘の痛みがあるときに使用すべきサポーターやギアはありますか?

エルボースリーブやリストラップが肘への負担軽減に役立ちます。 エルボースリーブは肘関節全体を適度に圧迫し、関節の安定性を高める効果があります。特に軽度の痛みがある段階での使用が効果的です。またリストラップで手首を固定すると、手首の過度な背屈を防ぎ、前腕から肘への負担を減らせます。ただし、サポーターはあくまで補助。根本的なフォーム改善なしに使い続けても、痛みの原因は解消されません。サポーターに頼りきるのではなく、正しいフォーム習得と筋力強化を並行して行いましょう。装具と努力、両輪で進めることが大切です。

まとめ

ベンチプレスで肘が痛くなる原因は、フォームの乱れと負荷の不均衡、そして肘周辺の柔軟性不足の3つです。正しい知識で対策すれば、肘の痛みは予防できますし、すでに痛みがある場合も回復が期待できます。

  • 肘を開きすぎ・脇を閉めすぎ・手幅の不適切さが肘への負担を生む
  • 肘の真下にバーを下ろし、前腕が床と垂直になるフォームが基本
  • 重量だけを追わず、8〜12回を丁寧にこなせる負荷設定が重要
  • 上腕三頭筋・前腕のストレッチを週3回は継続して柔軟性を保つ
  • 痛みが出たらすぐ休養し、2週間以上続く場合は専門家へ相談

まずは今週のトレーニングで、バーを下ろす位置と手幅を見直すことから始めてみましょう。鏡の前やスマホで動画撮影をして、前腕が床と垂直になっているか確認してください。ストレッチは毎トレーニング後に各30秒×2セット、これを1ヶ月続けるだけでも肘の調子は大きく変わります。

フォーム改善と柔軟性アップで、肘の痛みとは無縁のベンチプレスを取り戻していきましょう。

参考文献

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この記事を書いた人

現役理学療法士(6年目)×筋トレ歴6年以上。総合病院で急性期・回復期・訪問リハビリを経験。「痛めない・不調を治す筋トレ」をテーマに、臨床経験をもとにした情報を発信しています。

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