三角筋は肩関節のほぼ全ての動きに関わる、上半身で最も筋肉量の多い筋肉です。
また、物を持ち上げる際には僧帽筋も補助として働きます。
三角筋が弱いと僧帽筋に過度の負担がかかり、肩こりの原因になる場合もある。
逆三角形のボディを手に入れたい場合は、表層にありトレーニング効果が一番に現れる
三角筋を鍛えて肩幅を広くさせたいです。
一般的には前部・中部・後部の3部位で鍛え分けを行いますが、解剖学的には7区分に分けられる報告もあるので、さまざまな角度、バリエーションを持ってトレーニングするとよいでしょう。
また、前部はベンチプレスなどで強く動員されるのに対して、
中部と後部にかけては高重量のトレーニングでも補助的にしか使われないので狙って鍛え分けないとしっかり刺激が入りません。
なので、肩の筋トレに慣れていない方は後半に記載した部位別トレーニング方法を参考にして
一緒にかっこいい丸い肩を作りましょう!
筋肉図
次の右肩の各図から青くなっている部分が対象線維の三角筋です。
前部線維
赤く映った筋肉の左側が中部線維、右奥側が後部線維です。
前部線維の起始停止
鎖骨の外側1/3前縁~上腕骨の三角筋粗面
筋線維の種類
紡錘状筋
前部線維の働き
肩関節の屈曲、水平内転、内旋
中部線維
赤く映った筋肉の左側が後部線維、右側が前部線維です。
中部線維の起始停止
肩甲骨の肩峰~上腕骨の三角筋粗面
筋線維の種類
紡錘状筋
中部線維の働き
肩関節の外転
後部線維
赤く映った筋肉の左奥側が前部線維、右奥側が中部線維です。
後部線維の起始停止
肩甲骨の肩甲棘下縁~上腕骨の三角筋粗面
筋線維の種類
羽状筋
後部線維の働き
肩関節の伸展、水平外転、外旋
各情報のまとめ
次に起始停止や支配神経、動作をまとめました。
<起始>
鎖骨部(前部線維)…鎖骨の外側1/3前縁
肩峰部(中部線維)…肩甲骨の肩峰
肩甲棘部(後部線維)…肩甲骨の肩甲棘下縁
<停止>
上腕骨の三角筋粗面
三角筋の前中後部全ての線維が上腕骨上部にある三角筋粗面と呼ばれるざらざらした部分に付着して、上腕骨を強力に動かしています。
<支配神経>
腋窩神経(C5~C6)
<筋線維の種類>
前部線維と後部線維:紡錘状筋
中部線維:羽状筋
<働き>
前部線維:肩関節の屈曲、水平内転、内旋
中部線維:肩関節の外転
後部線維:肩関節の伸展、水平外転、外旋
トレーニング方法 姿勢やポイントについて
各部位のトレーニング方法について、実施して効いたものなどを私個人の意見を織り交ぜつつ書いていきます。
前部線維
ダンベルショルダープレス
姿勢:立位 or 座位 or インクライン70°~80°
立位だと股関節動作での代償が出やすく、体幹筋力も要求されて腰椎過伸展をしやすいため腰を痛める可能性があります。
三角筋前部に集中したい場合は骨盤を固定できる座位や、加えて体幹も固定できるインクラインで行うことが望ましいです。
バーベルショルダープレス
姿勢:立位 or 座位 or インクライン70°~80°
しかし、扱う重量が増えるので怪我には注意です。
ちなみに似ているものとして、背中側で担ぎ上げるバーベルバックプレスはフロントに比べて*5kgほど重量を扱うことはできましたが、私はあまり効果が実感でできませんでした。
中部線維
ダンベルサイドレイズ
姿勢:立位、座位
・順手でグリップを握る
・肘を伸ばし切らず120°ほどで固定
・肘を垂直方向に持ち上げる意識
・下ろすときは上げる時よりもゆっくり、ストレッチがかかるイメージ
体幹を前傾することで停止部が垂直に動作するので負荷がしっかり入るよ!
ダンベルインクラインサイドレイズ
姿勢:インクライン
一般的にはよく背もたれに寄りかかって行う指導がされていることが多いですが、
起始停止を考えると停止部がやや後方に付着しているため、体幹を前傾位にして行うほうがストレッチが効かせやすいので効果が高まります。
・背もたれに腹部を向けて座る
・ダンベルを握り肩を楽にする
・肘を垂直に上下させる意識で持ち上げる
・下ろすときは上げる時よりもゆっくり、ストレッチがかかるイメージ
ダンベルインクラインワンハンドサイドロウ(勝手に名付けました)
芳賀セブンさんが紹介しているポイントを取り入れてから明らかに三角筋中部へ刺激の入りが強くなり、筋肥大するのを感じています。下にURLを張っておきますのでぜひご覧ください。
EZバーアップライトロウ
姿勢:立位
バーベルと異なりグリップが湾曲しておりこれが手掌に馴染む。
グリップを握る際は親指を上から乗せるサムレスにすると、より三角筋の収縮を感じることができます。 (サムレス…親指を握らずバーの上に乗せる)
胸の前で握る姿勢は三角筋停止部を垂直に動かすことで無駄なく強力に負荷を与えつつ高重量を扱えるので、私の中では一番おすすめします! 肩幅がすごく広くなるよ
私が参考にしているGENT Fitnessさんの動画も下に紹介しておきます。
肩や手首の怪我が多い種目なので握り方や肘の上げ方のポイントを抑えることでインピンジメントなど怪我を予防しましょう。
後部線維
リアレイズ
姿勢:立位 ro 座位 or 腹臥位
立位、座位の場合
・体幹を前傾させて床と水平にする
・ダンベルを握り手のひらは斜め下内側に向ける
・肩甲骨は寄せずに肘を垂直に上下させる意識で持ち上げる
・下ろすときは上げる時よりもゆっくり、ストレッチがかかるイメージ
腹臥位の場合
・お腹側から背もたれに寄りかかる
・ダンベルを握り手のひらは斜め下内側に向ける
・肩甲骨は寄せずに肘を垂直に上下させる意識で持ち上げる
・下ろすときは上げる時よりもゆっくり、ストレッチがかかるイメージ
1回ごとに肩甲骨を寄せると僧帽筋中部に負荷が逃げてしまうので、
三角筋に集中する場合は動かさない意識でやろう!
私が参考にしている寺島遼さんの動画も下に紹介しておきます。
リアデルトフライ
姿勢:立位、座位
器具によって姿勢は立位か座位か変わります。おすすめは骨盤を固定できる座位です。
私が使用している器具は座位で行うものですが、ポイントは変わらないです。
他種目と比較し高重量を扱えるので神経系の発達に貢献しています。
引いてから前に戻すときは5秒ほどかけることでバチバチにストレッチが効きます!
・グリップを握ったら肘を30°ほど常に屈曲し固定する
・肩甲骨を寄せないようにしながら小指と薬指を中心に握るよう意識しながら肘を後方に引く
(肘は肩よりも引かずに止める)
・前に戻すときは引く時よりもゆっくり、ストレッチがかかるイメージ
私が参考にしているGENT Fitnessさんの動画も紹介しておきます。
ポイントを抑えることで三角筋後面へ集中して負荷をかけることができます!
ダンベルインクラインワンハンドリアロウ
姿勢:インクライン側臥位
低重量のダンベルとベンチだけで強力な負荷をかけることができる種目なので最後の追い込みや自宅トレの方におすすめです。
ケーブルリアレイズ
GENT Fitnessさんが紹介している方法を取り入れてから明らかにに効かせられるようになり、筋肉痛になる機会が増えました。
肩関節後部種目の最後に行うことで疲労が溜まっていても低負荷で扱え、かつストレッチを最高に効かせやすいのでぜひ試してみてください!
まとめ
肩の筋肉である三角筋は上半身で最も筋肉量が多く、肥大させることで肩幅が広くなり男らしくかっこいい体つきになります。
前部・中部・後部の3つの部位をまんべんなく鍛え分けることで綺麗な肩をつくることができます。
皆さんも三角筋を鍛えて一緒にかっこいい肩を手に入れましょう!
コメント